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2022.01.06

健康づくり

舌診~舌を見て未病を捉える~7

今年も1年が始まりました。本年も早めに未病を捉えて、皆さまが健康でお過ごし頂けるよう舌診の知識とタイプをご紹介していきたいと思います。今回は👅光滑についてお話していきます。

光滑とは表面に苔がなくツルツルで光沢があるような状態になった舌で、極端に水分が少なく体液がかなり失われていることが多いです 。
以前にご紹介した裂紋がさらに進んだ状態で、お年寄りに多く見られたり、風邪で急に熱が出たときや肺炎をおこしたときなどにも見られます。特に心配なのは慢性胃炎、胃潰瘍、神経性胃炎など胃の健康状態で、胃の消化吸収機能がおちていたり、慢性的に続いている症状が悪化してきている可能性があります。その他、高血圧や糖尿病、甲状腺機能亢進症などの悪化も気になります。 このタイプは裂紋舌より体液不足が進んだ状態ですので、体液の消耗には十分気を付ける必要があります。水分補給には十分注意して炎天下での激しい運動や長い入浴、サウナ、岩盤浴などは避けることが無難でしょう。

食事面では体液不足を進める辛いものや味の濃いもの、アルコールには気を付けてください。おすすめなのは豆腐、豆乳、白キクラゲ、松の実、クコの実、梨などの潤いを増やしてくれる食材です。
漢方薬では裂紋と同様、体内の潤いを調整する腎活系漢方や、潤い不足は血の不足(血虚)の進行したものとも考えられるので、血液を補う漢方薬(補血)などがおすすめです。あと舌苔は胃の潤い(胃陰)と胃の気(胃気)があってはじめて作られるものであると考えられていますので、炎症を起こしていたり、機能低下していると舌苔の量も少なくなってきます。ですので胃の不調を整える健胃薬や、補血と健胃の両方を補う人参などを含む漢方薬がおすすめです。

年末年始は会食の機会が増える方が多いと思いますので、胃腸に大きな負担がかかります。しっかり舌を見て食べすぎ、飲み過ぎには十分気を付けて、新年良い始まりでお迎えください。

次回は白苔(はくたい)についてお話したいと思います。