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2021.08.18

健康づくり

舌診~舌を見て未病を捉える~ 5

今回は👅歯痕(しこん)についてお話したいと思います。

 歯痕とは舌のふちに歯型がついている状態で、体力が落ちていたり胃腸が弱り(脾虚)水分代謝が悪い状態がしばらく続いた時にみられることが多いですので、暑さや水分の摂り過ぎ、汗のかき過ぎなどでこの時期多く見られる舌のタイプです。水分代謝が悪く舌が浮腫んだ状態だと、歯に押し付けられ型がつきやすくなります。しかし舌は筋肉の塊ですので少々のことでは型はつきません。体力が落ちて舌の引き締まりが弱く緩んでいる時と重なると歯痕がみられやすくなります。花粉症などのアレルギー症状、胃腸機能が弱っている胃炎 や胃下垂などの時にみられることが多いので注意が必要です。

 食事面では胃腸の消化吸収を整えるのにじゃがいも、さつまいも、長いもなどもよいですし、余分な水分を取り除くのには先ほどの長いもや大根もカリウムが豊富で体を冷やす心配も少ないのでおすすめです。夏野菜などは胃腸を冷やしてしまうことも考えられるのでなるべく温める食材や温野菜にするなど工夫が必要になります。香辛料など刺激の強い食材は胃腸に負担をかけるので避けた方が無難です。

 生活面ではしっかり睡眠を取り過労などで無理をせず、体を冷やさずいたわってあげてください。一日30回程深呼吸をして気を補ってあげることも意識してみるとよいでしょう。
 漢方薬では弱った胃腸機能を整える方剤や人参などを含む漢方薬、体力や気力を補う漢方薬などがおすすめです。

 台風や豪雨の影響もあり気温が上下して体調面でも不安定になりますので、毎日舌の表情を観察しながら、水分や食事、体の冷えに注意して、秋冬を見越した生活を心がけてください。次回は舌下脈絡(ぜっかみゃくらく)についてお話したいと思います。