2021.03.28
漢方のこと
現場レポート No.3「腎」まとめ
今回は3人のお客様の事例を紹介しましたが、私自身も非常にショックを受けた、忘れられない事例でした。もう少し熱心に「腎」の大切さをお話しするべきであったかと反省しています。最後にまとめとして、前編と後編でお話した身体や脳に溜まる余分な水(むくみ)について簡単に説明します。
腎臓機能の低下、いわゆる腎虚になると血液の濾過がうまくいかず、血液中のタンパク質(アルブミン等)が尿中に漏れ出します。タンパク質には血中の水分を保持する役目があるため、タンパク尿として身体の外へ漏れてしまうと浸透圧のバランスがくずれ、血液中の水が血管外へ移動するため、血管外の組織に水がたまり、浮腫(むくみ)が起こります。この組織に漏れた水「むくみ」が様々な病気を引き起こす原因のひとつなのです。
また、尿中に漏れ出したタンパク質は膀胱にも悪影響を及ぼし、頻尿や過活動膀胱などの尿トラブルも引き起こします。すなわち、腎虚は多くの中高年の皆さんが悩んでみえる尿トラブルの原因にもなっています。この件に関しては、日を改めて書いてみたいと思います。
日頃お元気で顔色の良い方でも、身体からのサインや何気ない症状に注意を向ける事が、とても大切であると考えられます。このブログが、皆様の健康と予防への関心につながる切っ掛けになれば幸いです。